ミニに乗っていて、「ポジションがキツイなぁ。」とか、「長距離走ると足首が痛くなる。」とか思った事はありませんか? 特に年式が新しいミニになるとシートも作りが良くなりましたが、その分シートも厚くなり、ポジションがきつくなってしました。 左の写真はノーマルシートに座っているのですが、身長177cmの私が座るとかなりきつい感じがします。 「それでは、大柄な人は乗れないのでは?」と思われるかもしれませんがそうではありません。 ミニは多種多様なオプションパーツが出ていますが、ポジションを改善するパーツも多数あるのです。 では、その例を紹介したいと思います。

まず、下の2枚の写真をご覧下さい。 上はノーマル、下がポジションを変更した物です。

ノーマルのポジションです。 赤いラインは関節の角度を分かり易くする為に入れています。 膝は90度近い角度となり、足首も90度以上の角度になっています。 ステアリングは変更されていますが、その他はノーマルの状態。 これでは足首に負担がかかり、長距離を走ると痛くなるのも無理はありませんね。
こちらが改善後の状態です。 赤いラインは上のノーマルポジションの物をコピーしています。 膝の角度、足首の角度の違いに注目して下さい。 背中の少し寝ています。 この状態だと足首も楽になりますね。 また、クラッチも上から踏み下ろすのではなく真っ直ぐ奥に踏める様な感じになるので、少ない力で踏み込めるようになります。、

2枚の写真の姿勢の違いが解りますか? 更に下の2枚の写真をご覧下さい。

ノーマルでは、頭の上にコブシ1つ分の余裕しかない。 変更したポジションではコブシ2つ分くらいの余裕がある。

頭上のスペースの違いがお解かり頂けたと思いますが、これは着座位置の高さの違いからです。 ノーマルシートは厚みが増えてクッション性は上がったのですが、その分だけ座る位置が高くなってしまいます。 180cmを越える人だと天井に頭が付きそうになるくらいです。 それでは、ドコを変更すると良いのでしょうか? 具体例を紹介したいと思います。


まずはシート。 シートが厚くなったのですから、シートを変更してあげれば良いのです。 ミニ用のシートは数多く出ていますが、今回の例はコブラのローバックシート。 座面の厚みが薄くなる分、着座位置が低くなるという訳です。 「座面が薄くなると乗り心地が悪いのでは?」と思われる方もいると思いますが、コブラシートは良く出来ていて、薄くてもクッションはしっかり効いていますので大丈夫。 また、コブラシート等を取り付ける場合、シートが付くレールも交換(ノーマルシートはレールと一体の為、シートとレールの分離が出来ない)する事になります。 レールを変更する事により、ノーマルと比べてより後ろまでシートが下げる事が出来、足元にも余裕が出来るという事です。 シートを換えると横方向のサポートも良くなりますので体が横に振られず楽になるというメリットもあります。

シートに合わせてシートレールを変更する場合、気を付けたい事があります。 それは、シートレールの強度。 ミニ用のシートレールは数多く出ていますが、通販で安売りしている物などの中には強度的に弱い物もあります。 レールは、ドライバーの体重を支えていますので、弱い物だと変形したり、ロック部分が外れたりする場合があります。 特にスポーツ走行をする場合など、ブレーキング時にシートがずれて怖い思いをする事があるのです。 また、レールによっては取り付け位置が高く、ポジションが下がらない物もあります。 今、市販されているレールの中でポジションが下がり、強度もしっかりしているのがコブラ純正のシートレール。 左の写真のレールです。 安全の為にもレールはしっかりとした物を選びましょう。

もう一つ、今回の例で行っているのがステアリングアジャスター。 ミニに乗った事がある方なら解ると思いますが、ミニのステアリングは上を向いています。 大げさに言えばトラックの様な感じ。 ステアリングが上を向いているので、ステアリングの上部を掴むと腕が伸びきってしまう。 また、シートの位置が下に下がるとなお更遠くなってしまいます。 それを改善するのがステアリングアジャスター。 右の写真の中央、銀色のパーツです。(右の写真では2段付けています。) このパーツを装着する事によりステアリング全体が下に下がり、乗用車のようなポジションになるのです。どれくらい違うかと言うと、下の写真をご覧下さい。

写真に2本のラインが引いてあります。 上側のラインがステアリングアジャスターを付けていない場合(ノーマル)です。 ステアリングアジャスターを取り付ける事により、下のピンクのラインまでステアリングが下がるのです。 これだけ角度が違うと、ステアリングを握った感じも全然変わりますね。 ステアリングアジャスターは、ポジションを改善してくれる有効なパーツですが、取り付けに注意が必要。 ステアリング機構の元から動かして取り付けしないと無理がかかり、最悪ステアリングを回しても曲がらない!という事も考えられます。 アジャスターの取り付けは信頼出来るショップでの取り付けをお勧めします。

ミニのポジションは、シートとステアリングの角度以外にも調整可能な箇所があります。 定番なのは、シフトエクステンション。 このパーツはシフトレバーに装着し、レバーの長さを調節する為の物。 左の写真の赤矢印の部分がエクステンションです。 写真の物は真っ直ぐなタイプですが、手前に曲がっているタイプの物もあります。 エクステンション装着により、シフトレバーの位置が高くなる、また曲がっているタイプの物なら手前に来るといった感じでポジション調節が可能となります。 特に小柄な方で1速や3速が遠く感じる方にはお勧めパーツです。

もう1つのパーツは、ステアリングのスペーサー。 付いているステアリングのメーカーによってスペーサーのある物と無い物がありますが、スペーサーを装着しステアリング全体を手前に持ってくる事が出来ます。 左の写真はモトリタ社のレーシングタイプのステアリングですが、赤矢印の部分がスペーサーで2インチ手前にステアリングがくるようになります。 モトリタのステアリングは、通常のタイプの物でもスペーサーがあり、ポジションが作り易いのです。 もし、ステアリング交換を考えられているのなら、そういう部分も頭に入れて選択する事をお勧めします。

今回紹介する方法は、数ある方法のなかの1例です。 背の高い方、低い方、色々な体型の方がいると思いますが、自分の体に合わせたポジションにする事で、楽に運転する事が出来るのです。 特に長距離を走った時などポジションの違いが良く現れますね。 過去には身長2mを越える方にポジションを合わせて作成した事もあります。 「窮屈だなぁ。」「もう少しここが・・。」等あればちょっとだけポジションを変更してみて下さい。 きっと運転する事が今より楽しくなると思いますよ。 また、どう変更したらよいか解らない方は、お気軽にご相談下さい。 自分に合ったポジションで楽しいドライブをしましょう。

また特殊なポジション変更については、別ページで紹介したいと思います。