ボディ、機関ともにフルレストア済だという事で、古い車輌を購入してきたお客様。 「Hi−Loが入っていないので、Hi−Loの取り付けをお願いします。」と、当店を訪ねて来て下さいました。 確かに、外装はキレイに仕上がっています。 車を預かり、いざ、Hi−Loを取り付けようとした時に事件は起こりました。 タイヤを外し、ストラット(ラバーコーンの下に付く部品)の付け根、ナックルジョイントのダストブーツをめくってみると・・・。



そこは、上の写真のように「砂漠の中で砂にでも埋まっていたの?」という状態。 この砂のような物の正体は錆び。 ブーツの中は錆びで一杯になっていたのです。 通常、この部分は人間の関節のように動く為、グリスで満たされています。 そのグリスが流れ出て、ジョイントが錆びてしまったのでしょう。 これだけの量が出るという事は、昨日、今日で錆びたのではないですね。 どこがフルレストア?というような状態です。 ラバーコーンを縮めナックルジョイントを外そうとするのですが、錆びで完全に固着、一体化してしまっています。 どうやっても取れそうにありません。 そこでストラットを破壊して取る事に。



ストラットを上の写真のように破壊し、取り出しました。 ちなみに、反対側も錆びていましたが、何とか破壊せずに外す事ができました。 下の写真は、新しく組むHi−Loとノーマルのストラットです。



上の写真、上側がT−SPEED製のHi−Lo、下側がノーマルストラットです。 T−SPEED製のHi−Loは、ナックルジョイント(上側、左にある黒いパーツ)が付属で付いてきます。 下のノーマルのナックルジョイントに錆びが出ているのが解るでしょうか? 基本的にHi−Loは(Hi−Loだけではないですが)ただ取り付ければ良いというものではなく、しっかりとグリスアップ、そしてナックルジョイントも交換しないといけない場合が多いです。 この車輌に限った事ではなく、ナックルジョイントが錆びでダメになっていたり、酷い車だと折れているなんて場合もあります。 この車輌も、この時点で発見出来て良かったですね。 フルレストアが聞いてあきれます。 みなさんならどうします? 下側のように錆びたナックルジョイントをまた使いますか?