1300ccエンジンにウェーバーを組み込んだ時の事。 どうしてもセッティングがうまく出ない。 何度もセッティングを繰り返すが、後もうひと息!という所で合わない。 「何が原因だ?」と色々調べているうちに、「こんな所かよ」という原因が判明。 では、ドコが悪かったのでしょうか?

今回使用したキャブは、ウェーバー45 DCOE9。 45φ対策前のキャブの新品です。 セッティングが出ない原因を突き止めていくと、下の写真のパーツに行き当たりました。



上の写真のパーツはニードル・バルブと呼ばれるもので、キャブに入ってくるガソリンの量を調整しています。 ドコに付いているかというと、下の左上のキャブレターの写真、赤丸で囲んだ部分、キャブレター上面の蓋を開けた中に付いています。(金色の丸い蓋ではありません) 右下は蓋を外した状態。 左下の写真、赤い矢印の先がニードル・バルブです。



では、実際にニードル・バルブはどの様な役目をしているのか?簡単な図で説明したいと思います。 まず、下の2枚の図をご覧下さい。

上の図の赤い部分にニードル・バルブが付いています。 燃料ラインから入ってきたガソリン(青矢印)は、ニードル・バルブを通りフロート室に入ってきます。 フロート室には溜まったガソリンでフロート(オレンジ四角)が浮いており、一定量のガソリンが入りフロートが浮き上がる事によりニードル・バルブが押し上げられガソリンがそれ以上入ってくるのを止めています。(右図) フロート室のガソリンが減り、フロートが下へ下がるとニードル・バルブが開き、フロート室内へガソリンが追加されます(左図) この繰り返しにより、フロート室内には、一定量のガソリンが溜まっている事になるのです。



今回のケースでは、ニードル・バルブのドコが悪かったのでしょう。 下の写真は、ニードル側のアップですが、赤い矢印の先、山に鳴っている部分の中心が微妙にずれていました。 モチロン、写真や目で見ただけでは判りません。 中心がずれている事により、山の部分が穴に真っ直ぐ入らず、結果としてフロート室内の油面(ガソリンの量)が来るってしまいセッティングが出なかったのです。 まさかこんな所に落とし穴があるとは思いませんでした。



最終的にニードル・バルブを別な物に交換し、セッティングはバッチリOKとなりました。 ほんの微妙なズレがセッティングに影響してしまう良い例でしたね。 しかし、次は勘弁して貰いたいものです。