今回の事件は、私達のミニも含め、ここ最近で良く起きているトラブルを紹介します。 比較的に、特別珍しいトラブルという程ではないのですが、「そういえば、あの車も・・」という事となり、紹介する事にしました。

まずは、左の写真をごらん下さい。 良く使われるパーツでもあるジャンスピード製3ブランチLCBです。 排気効率UP、そして高さも稼げるなど、とても良いお勧めパーツであります。 今回の事件は、このLCBに関わる事件です。



左の図は、エンジンを横から見たものです。 図の左側は車輌の前側、右が後ろ側となります。 エンジンの後方上部には、キャブレター(インジェクション)が取り付けられており、その下側(赤い線の部分)にLCBが付いています。 LCBから先はマフラーへと繋がります。 ちなみに、LCBは排気により、かなり高温になるパーツでもあります。



キャブレターは、ガソリンと空気の混合気を送るパーツであり、あまりキャブレターが熱くなりすぎるとガソリンが沸騰して気泡が出来たり、ガソリンと空気の比率が変わってしまったりと、よくありません。 そこで、どうするかと言うと下の写真のような対策をとる事となります。



写真は、LCBのパイプに巻かれた耐熱バンテージ。 熱を外へ逃がさず、キャブレターに熱が伝わるのを防止する為に使用しています。 特に、発熱量の多いチューニングカーには有効なパーツでもあります。 では、今回の何が事件なのでしょうか?



左の写真、赤丸で囲んでいる部分をご覧下さい。 黒く煤けて見えるのは、パイプが割れ、排気漏れを起こしていた箇所です。 ここは、2本のパイプが溶接して接続している箇所で、その部分から割れてしまったのです。 ここまでなら普通のトラブルなのですが、ここ数ヶ月で4台に同様のトラブルがありました。 どの車も耐熱バンテージを巻いている車輌でした。 取り付けた時期は違いますが、たまたま割れた時期が重なった為に気になったのです。

そこで、原因を考えてみたのですが、バンテージを巻き外へ熱が逃げなくなった分、内部が高温となり、溶接部が耐えられなく割れてしまったのではないかとも思えます。 しかし、バンテージを巻いているから必ずなるトラブルでもないですし、実際にトラブルの出ていない車輌も数多くあります。 最近のLCBの造りが悪いという事もあるのではないでしょうか。 実際、レーシングカー等で過酷な状況の中、バンテージを巻いている車輌もありますし、待ち乗りでの使用パターンがという事も考えられます。 どちらにせよバンテージだけが原因とも言い切れません。 もっと多くの事例を待たなければならないと思います。 バンテージを巻いている方、少し注意して見てみて下さい。