以前、事件NO.14で紹介した「オブジェ?」の続編です。 2003年の12時間耐久参戦後に発覚した事件でしたが、その後、2005年の12時間耐久、90分耐久と走り、予算の関係上エンジンを開ける事が出来なかったのですが、2006年の12時間耐久に参戦するにあたり、ついにエンジンを開けるときがきました。 その結果を報告したいと思います。



実は、今回オーバーホールを行うに当たり、オイルを抜いた際にまた破片は出てきていました。 ギアの歯である事は解っているのですが、何速のギアが逝っているにか? 1枚だけで済んでいるのか? 後は開けてみての確認となります。 これだけ破片が出てきているので、他の部分を傷つけていないか?も心配ですね。



さて、いよいよエンジンはバラけ、内部の確認に入ります。 写真は全て分解したミッション。 どのギアなのか?



問題のギアをついに発見!! 1速ギアの歯が見事にかけています。 下にアップの写真を。



赤線で囲んだ中、キレイにギアの歯が飛んでいるのが解るでしょうか? 半分以上の歯がなくなっています。 これは1速ギアのシンクロスリーブと噛み合う部分。 製品の焼が甘かったのか、こんなに歯が欠けたのは初めてです。 しかし、レース中はスタート以外に1速を使う事はほとんどありません。 「無理なシフトで・・」という可能性も、これだけ歯が飛んでいると考えにくいですね。 結局、歯が飛んでいたのは1速のみで、他のギアは全てOKでした。



ギアの破片で傷つけていないかが心配でしたが、メタル、シリンダー、ピストン当にダメージはありませんでした。 ただ、あれだけの破片が出ていましたから、オイルポンプは新品に交換し組み上げました。



その後、慣らし運転、そして12時間耐久の本番となったのですが、特に問題は発生しませんでした。 「製品の品質が・・」と言ってしまえばそれまでになってしまいますし、「運転が・・」という可能性も無い訳ではありません。 しかし、ここまで見事に歯が飛んだのは初めてです。 珍しい事件でした。