バイクみたい

とあるお客さんのMK−Iに履いていたピレリP1000。 今となっては懐かしいタイヤですが、パターン・デザイン等は古い車輌には良く似合いますね。 今回は、タイヤにまつわる事件をお送りします。


お客さんから預かっているミニの横で作業をしていた時のこと。 ピシッ、ピシッと時々変な音が聞こえる。 しかし、車のそばには何も無く、特別異変も感じられない。 「なんだろな?」と思いながら作業を続けるが、たま〜に音がなる。 しかし、発生源は不明。 聞こうと思って構えていると音がならないんですよ。 作業を進め、お客さんのミニをちょっと移動。 別な作業をして、ミニを元の位置に戻そうと動かしたら、ゴトン、ゴトンと車体が揺れる。 「あれ?パンクか?」と思いタイヤを見るが空気が抜けている様子は無い。 慎重に動かすと、やはりゴトンと揺れる。 「なんだ?」と思い、もう一度足回りをよ〜く見てみると・・・。


これが事件となったタイヤです。 こうやってみると、何がおかしいか良く解りませんね。 しかし、次の写真をご覧下さい。 そこには驚くべき事実が待っていました。


下の2枚の写真を良く見比べてください。 両方とも同じタイヤです。 詳しく説明するまでもありませんね。 左のタイヤは見事に膨らんでしまっています! まるでバイクのタイヤのようです。
最初に見たときは、ほんの一部が少し盛り上がっているだけでした。 そこが回転していくとゴトンと揺れを発生していたのでした。 その部分を良く見ないと解らない程の膨らみでした。 しかし、別な作業を終わらせる為に少し離れ戻ってきたら上の写真のような状態に! 真ん中の部分が1周膨れ上がってしまっています。 これにはビックリです。 どうみても同じタイヤとは思えませんよね。 


たぶん、ラジアルタイヤの中のベルトの部分が劣化して切れているのでしょう。 それによって中央部分が膨らんでいるのだと思います。 最初に聞こえたピシッという音は、ベルトの切れている音だったのでしょうね。 サイドの部分が切れて膨らんでしまったり、一部が膨らんでしまったタイヤは目にすることがありましたが、ここまでヒドイものは初めてみました。 これが、走っている最中に起こったのではなくて本当によかったです。 古いタイヤは見た目は良いのですが、性能面は怖いですね。 もちろん、このあと4輪ともタイヤ交換となりました。 みなさんも、たかがタイヤですがされどタイヤです。 タイヤは命を乗せて走っている事を忘れないで下さい。 キチンとチェックする事をお勧めします。