そんな所が

今回はインジェクション車でのトラブルの話しです。 最初は「マフラーから黒煙が出て、調子が悪くなった」というトラブルのお客様がいらっしゃいました。 それでは、車を調べて見ましょうという事で、早速修理開始です。


この黒煙が出るというトラブルは比較的良く出るトラブルで、吸気の負圧を利用してコンピューターが吸気量を測定しているのですが、その連結しているゴムホースが切れると出る症状(もちろん、それだけではありませんが)です。 案の定、この車輌も確認したところ、連結しているホースに亀裂があり、そこから空気を吸い込んでしまっていました。 ここまでは、何でも無いトラブルです。 ホース等に関しては「コンピュータートラブル」のページでも紹介していますので、そちらも是非ご覧になってください。

ホースを交換し確認をしたところ、アイドリングもキレイに安定し、黒煙も収まりました。 しかし、最終確認でテスト走行してみたところ、新たな問題が発覚したのです。


アイドリングは正常、走行も全く問題ないのですが、急激にアクセルを踏むと一瞬だけ息を付くような感じが出る。 症状が100%出る訳ではないのが余計に困る。 一つずつ、疑わしい場所を調べて見ていくのですが、中々原因が特定できない。 コンピューター本体、接続しているコネクター(一部修正)、水温センサー、吸気温センサー、クランク角センサーなどの各センサーの点検、コイル、プラグ、プラグコードなどの点火系の確認、燃圧、インジェクターの確認、圧縮も問題なし、触媒の詰まりもOK、ポテンションメーター、ECUの負圧(今回、交換した部分)、メインリレー、そして各端子とチェックしていっても問題なし。 症状は出なくなったり、酷いときは、本当にガクッと息継ぎをする。 さあ、なんなんだ・・・。


まず、左の写真をご覧下さい。 これはインジェクション車のインテークマニホールドです。 真ん中の丸い部分にインジェクターが付く形になります。 今回のトラブルの原因がここにありました。


下の2枚の写真をご覧下さい。 赤い矢印の部分、左の写真のパイプに負圧検出用のホースが取り付けられる形になります。 今回の原因はこの部分、しかも中側にあったのです。
この部分のホースが切れると空気を吸い込んでしまうために、今回発生した最初のトラブルのような症状が出たりします。 で、何が原因だったかというと、この穴が微妙にゴミや汚れなどで塞がれてしまっていたのです。 完全に塞がっているわけではなく、1/3くらいでしょうか、穴が汚れ等で塞がる形になっていました。 しかも、それが穴の内部でなっていた為に、外からは全く見えなかったのです。 完全に穴が塞がれてしまえば負圧の検出が出来なくなりますから、症状も悪化し、調べやすくなっていたでしょう。 微妙に塞がれているために、通常の状態では負圧の流れがキチンと出てしまい、急加速等の流れに変動があった時に検出しきれない状態になっていたのでした。 その流れ加減によって、症状が出たり出なかったりしていたのですね。 長年トラブルを見てきましたが、今回のパターンは初めてでした。 まだまだ新しいトラブルを与えてくれるミニは楽しいですね!