傷だらけの・・・

足回りの点検でお預かりした車輌での出来事。 様子を見るために試運転を・・と思いエンジンをかけてみると、「あれ?油圧が上がらない・・」 アクセルを踏み込めば多少は上がりますが、アイドリングでは1kg/cmぐらいとなってしまう。 油圧低下には色々な原因が考えられますが、一番ダメージが大きいパターンはエンジン内部に問題があり、油圧がかからないというパターン。 この場合、エンジンオーバーホールという内容になってきます。 まずは最小限エンジンを分解せずに見れるところをチェックしてみます。


左のバネとピストン、これが何だかわかるでしょうか? エンジン内部ではオイルポンプによってオイルが圧送されて油圧をかけている状態となっています。 しかし、際限なく圧力がかかれば良いというものではなく、ある一定のレベルでかかっている必要があるのです。 そこで左のピストンのようなパーツが一定の圧力がかかるまで弁として働き、圧力が高くなるとバネが縮み圧力を逃がし上がり過ぎないようにしているパーツであります。 オイルの圧力をリリーフしますので、リリーフバルブという名前のパーツです。 何らかの原因により、左のパーツが動作不良を起こすと異常に圧が高くなったり、上がらなくなったりという症状が出るわけです。 さて、左の写真、はずしたリリーフバルブなのですが、何か問題あるでしょうか?


横から見てみれば一目瞭然。 バルブのサイドが傷だらけです。 これだけ傷があれば引っかかって動作不良となりますね。 過去に傷ついたバルブはいくつも見ましたが、その中でもヒドイというレベルです。 とりあえずバルブを交換してエンジン始動。 一応油圧は上がるようにはなりました。 話を聞くと、今回の車輌のエンジンは数年前にオーバーホールして、そこから40000km弱の走行だそうです。 前回、バルブチャックしていなかったと思われます。 本来ならずっと油圧が低い状態で乗っていたのでエンジンを開けてチェックをしたいところでもありますね。 油圧が低い、警告等が付くというかた、一度バルブだけもチェックすることをおすすめします。