イノチェンティの修理で預かった時の話しです。
お客様のSさんから電話があり、「クラッチ交換を自分でやろうと思ったのですが、クラッチディスクが取れない」との事。
「どうやっても取れないので、クラッチ交換お願いします。」という事で、預かり修理となりました。

いざ車を預かり、「さぁ、外そう。」と思ったら、やはり外れない。
そのうちに、プーラー(外す為の専用工具)のボルトがねじ切れてしまう有様。
2つ程工具をダメにしてしまい、ステンレスのボルト(値段は高いが頑丈)を買ってきて再挑戦。

しかし・・・。
それでもボルトがねじ切れてしまい、まったく取れる気配がありません。
そして、これがねじ切れてしまった工具です。


左側の写真の赤矢印のボルトを青矢印の穴に入れてクラッチに工具を固定します。
真ん中の緑矢印のボルトを締め込んでいって、クランクシャフトからクラッチを外す仕組みになっています。
ところが、右側の写真の赤丸のようにボルトがねじ切れてしまい、まったくビクともしません。
へたにコジってしまい、クランクに傷が付いてしまっても困ります。
泣く泣く、今回は断念です。

どうやら、クラッチがクランクに噛り付いてしまい外れない様です。
次回にエンジンを降ろし、じっくり作業するしか方法がなさそうです。
クラッチは取れないうえに工具もダメに・・・。
滅多に無いケースではありますが、ちょっと参りました。