永らくお待たせしていた「究極のＣＯＯＰＥＲ−Ｓ」ですが、作業が少し進んだので紹介していきたいと思います。　まず、エンジンルームの奥側、バルクヘッド部分のパネルの塗装を全て剥がし、鉄板の状態を確認します。　ここは、多少の錆びは出ていますが、それほど酷い状態ではありませんでした。

細かい部分を見て見ましょう。　下の写真の上段２枚は向かって左側、下段が向かって右側となります。　上段の写真の部分には、ブレーキマスター及びクラッチマスターが取り付けられており、どうしてもフルードで塗装がやられてしまいがち。　昔は下地の処理も良い性能の物が無かっただけに、塗装がやられると地金に錆びが出てしまいます。　ここでは全て磨きこみ錆び落としは済んでいる状態です。　左側と比較すると、下段の写真の右側は、フルードがかからない分塗装もシッカリしており、比較的に錆びが少なく済んでいます。

　

その後、サフェーサーを吹き新たな錆びが発生するのを防止します。　鉄板を研いでそのままにしておけば、１日で錆びが発生してしまうほど弱いのです。

作業は進んでいくのですが、ここでボディに補強のパイプを溶接します。　車のボディはフロアを基準に形が決まっていますので、フロアに手を入れると形が崩れてしまうのです。　そこでクロスに補強を入れ、少しずつ手を加えていくのです。　つまり、ここに補強を入れるという事は、フロアに手を入れるという事です。

　

下の写真が手を入れ始めたフロア。　運転席のフロアが切り取られています。　フロアは前側の角に錆びが多く取り切らない為、新しく運転席側は張り替えます。　下の右の写真は、シートの下にあるメンバー。　フロアを切り取る際、こちらも切断し剥がしています。　助手席側にはメンバーが残っているのが解るでしょうか？　メンバーは新しく交換するのですが、ボディの型崩れを防ぐ為に運転席側分を切り取っています。　メンバーの裏側はこれだけ錆びが発生していました。　当時の防錆があまり良くない証拠です。

　

同時にドアも作業を行っています。　まず、ドアは表面のパネルと裏側の骨組みとに分けます。　これは、ドアポケット内の錆び取り処置が出来ない事、そして、しっかりと錆び止めを行い、塗装をキレイに入れるには袋状のままだと隅々まで塗料が行き渡らない為です。

左下の写真がドアスキン（表面）。　写真に写っている面がポケット側になります。　この後ドアを１つに溶接し、全体に色を入れる事になります。　写真の白い部分は内側になる部分で、すでに塗装まで入れた状態。　今回のカラーは散々悩んだ末、オールド・イングリッシュ・ホワイトに決定しました。　また、右下の写真はドア内部の水抜き用パイプです。　上のスライドガラスから下に落ちた水はパイプを通り、右下の写真の部分から外へ出る仕組みとなっています。　巻き上げガラスに変更になったミニ（ＭＫ−ＩＩＩ以降）と比べ太いパイプでしっかりと水抜きが出来る為、ＭＫ−Ｉ／ＩＩのドアの方が水抜けはイイのです。

　

少しずつではありますが、確実に作業は進めています。　まずフロアから作業を行っているのは、下から形を決め、上に進んでいかないと全体の形が崩れてしまうから。　いくらキレイに仕上がっても、形が崩れてしまっては問題外です。　少しずつしか紹介出来ませんが、次回更新を楽しみにしていて下さい。