1.3ATオーバーホール

続いてブロック側の作業です。 シリンダーは計測の結果、やはり磨耗が激しくこれから先に永く乗ることを考えるとボーリングをした方が良い状態でした。 AT車ですし、普段の待ち乗りがメインですから耐久性も考え+20オーバーサイズのディッシュピストンを選択。 丁寧にブロックもボーリングしました。 ピストンに書いてある寸法、5/100ミリで仕上げています。 野口が書いた字が汚い?のはご愛嬌ということで。


ボーリングが終わったブロックのカムメタルを交換します。 かなりメタルに傷が入ってしまっていました。 まずは古いメタルを打ち抜きます。


続いて新品のメタルを打ち込み。 慎重に打ち込んだ後は、カムとのすり合わせを行います。 ここで手を抜かずにいかに丁寧に行うか、ということが重要になってきますね。


磨耗のあるバルブリフターは新品に交換。 リフターは、ほぼ磨耗で交換という形になりますね。 新しいリフターは軽量でオイル穴の開いているタイプを使用。 コンロッド/クランク/スラストメタルも全て交換です。 メタル類はスタンダードサイズでOKでした。


大物、クランクの登場です。 クランク本体はダメージも無く良好な状態でした。 クランクを乗せクリアランスを図るゲージにて測定。 ここも問題無し。


コンロッドに組み換えをした新たしいピストンをシリンダーに入れていきます。 リングも傷つけないように丁寧に。


ATミッションもオーバーホール完了。 トップ/セカンド/サードのブレーキバンド交換、クラッチ板6枚交換、デフスラストメタル/ブッシュ/オイルシール交換、デフサイドベアリング交換という通常のオーバーホールでOKでした。


ヘッド側の作業です。 バルブガイド8本は新品に交換。 芯出しを丁寧に行い、昔から変わらぬ手作業にてバルブのすり合わせ。 丁寧に、丁寧に。


ヘッドの組み付け完了。 バルブステムシールは新品に交換。 右はコンバーターの内側に付くハウジングケース。 清掃しベアリング類もチェック。 こちらも異常なし。


ガスケット等の下準備をし、ブロックとATミッションを合体。 だんだんとエンジンの形になってきました。


続いてヘッドを乗せる準備を。 スタッドボルトは錆び&伸びが出ていたために9本新品に交換となりました。


ハジングケースを取り付け(オイルパイプの接続がとても面倒です)、オイルポンプは新品に交換。 ヘッドを乗せ、コンバーターやデスビなどの補器類も取り付けていきます。 もう間もなく組み付けは終了となります。
ATのオーバーホールの一例ですが、参考にしてみてください。