わずか1570台しか生産されなかったMK−3 COOPER−S。 その中でも、初期の初期に輸入された1台です。 今回、車検を取るにあたり整備を行っていますので、簡単ではありますが紹介したいと思います。

ボディカラーは、グラシア・ホワイト。 高年式の白と比べると、若干、青みがっかた白です。 ボディは全て裸にされフルレストア。 エンジンルームからフロア下まで錆び一つありません。



現在、エンジルームでは補記類を外し整備中。 ブレーキサーボやブレーキマスター、クラッチマスターなどは取り外しオーバーホールを行っています。 また、点火系などもリフレッシュ。 もちろん、油脂類などの交換も行います。



キャブレターも取り外し、オーバーホール中。 左の写真で、バルクヘッドの塗装の良さも解りますでしょうか?



フロント・サスペンションでは、ブッシュやブーツ類のチェックはもちろん、ハブベアリングは交換、ブレーキキャリパーもオーバーホールを行います。 サスペンションは、COOPER−Sの特徴でもあるハイドロラスティック。 ユニットの点検はもちろん、液の補充も行いました。 写真のショックは後付けで付けられたものです。



リア・サスペンションもフロント同様にオーバーホール。 ベアリングは全て外しグリスを入れ替え。 右リアは、ハブにほんのちょっと磨耗があるので交換します。 写真から、フェンダー内部の塗装が良く解ると思います。



フロア下からのカットです。 どうですか?塗装、そしてボディの良さが解っていただけるでしょうか? 歪みやへこみはもちろんの事、錆び一つ無くベストな状態の仕上がりです。 サブフレームも錆びを落とし再塗装しています。



左の写真はフロントから。 フロントのサブフレームもキレイに仕上げてあります。 また、サスペンションのアーム類がキレイになっているのが解りますか?



リモートミッションの証でもあるコントロールBOXが良く解るカット。 左右の太いパイプはハイドロ用の配管です。 細い方の左が燃料ライン、右がブレーキラインです。 ブレーキラインは漏れはないのですが多少腐食があるので引き直します。



トランクルームもご覧の様な状態。 標準のツインタンクが良く解ります。 



この車輌の保存記録。 いつ、誰が登録したか解るものです。 昭和45年(1970年)12月17日、当時のディーラーであった日英自動車によって登録されました。 しかし、ディーラー(日英)登録の1号車より製造番号は若く、ほんとの初期に輸入された事が解ります。 また、現在までに4オーナーですが、3オーナー目から4オーナー目は親戚に譲渡されているので、実質は3オーナーと一緒です。 オールド・ミニでは、こういったヒストリーも重要となってきます。



間もなく整備が完了し紹介出来ると思います。 MK−3のCOOPER−Sは生産台数の少なさもあり、現存する車輌で状態の良い物は中々ありません。 しかも、ヒストリーのある車輌を探すのは大変な事です。 また、MK−3は見た目は高年式のミニと同じになってしまった為に、MK−1と比べると人気が少ないのも特徴です。 しかし、希少さで言えば、970Sの次に生産台数が少なく、MK−3のSを目にする事の方が少ないといえるでしょう。 エンジンはMK−1&2の1275S同じ1275ccでも、MK−1&2に比べトルクフルに感じられます。 COOPER−Sの中でも完成形といえるMK−3。 仕上げの様子は順次紹介していきます。 お楽しみに!!

整備が完了し、「在庫車リスト」にUPしました。
そちらもご覧下さい。