1969年にミニ・クーパーの製造が打ち切られ、その後1971年にはクーパーSの製造も終わり、それ以降、クーパーと名のつくミニは発売されませんでした。 1990年になり、ミニ・ファンの憧れでも合ったクーパーが1300ccで復活する事となります。 その復活の時、世界限定1650台(日本へは650台)で発売されたのがキャブ・クーパーのコメモレイティブ(記念)モデル。 エンジンは、その後発売されるキャブクーパーと基本的には同じですが、限定車だけの装備がありました。 エンジンルームのフロント部分にはオイルクーラーが標準装備。 これは通常のキャブクーパーでは、オプションで付ける事も出来ませんでした。 エンジン本体は、通常のキャブクーパーと同じで、SU1・3/4シングルキャブで燃料が供給され、アクセルを踏み込めばレスポンス良く反応してくれます。 このレスポンスの良さは、キャブレター車ならではのものですね。 走行33500kmのエンジンは吹けも軽く、このままでも十分スポーツ走行を楽しむ事が出来ます。 製造台数の少なさもあり、今後、限定車でここまでの状態の物はまず出てこないでしょう。 また、写真では解りにくいのですが、ゴムやホース類がとてもキレイ。 これは、走行距離が少なくあまり熱が入っていない証拠。 是非、実物をご覧下さい。


オイルクーラー


過去40年の歴史の中で、オイルクーラーが標準装備されたのはクーパーSと限定キャブクーパーだけ。 それだけクーパー復活に力を入れていた証。 限定車以降のキャブクーパー、そしてインジェクション車では取り付けられる事は無かった。 単体で購入すると意外と高い。
エアクリーナー・ダクト


性能は、通常モデルとまったく違いはないが、限定車のダクトは表面に何も無い。 通常モデルではダクトにクーパーのエンブレムが彫られている。 意外と気付かない人も多い。
ラジエター、ウォーターポンプ、ホース類等、水回り交換


いくら走行距離が少なくても、10年以上クーラントに浸かっている水回りのパーツはリフレッシュが必要。 しっかり水回りを整備してればオーバーヒートとは無縁。 ちなみに、メーカーの言うラジエターの寿命は6年。 

今は、サスペンションに関してはノーマルの状態。 限定車とはいえ、サスペンションに特別な装備は与えられませんでした。 ノーマル・ショックの寿命は短く、15000kmも走行すればショックとしての役目を果たせなくなってしまいます。 そこで、1300ccのパワーに見合ったショックを選択。 もちろん、ミニにとっては必需品のHi−Lo KITも取り付け。 ショック、そしてHi−Lo取り付けだけで、ノーマルとは一味違う走りを楽しむ事が出来るでしょう。 本来、1300ccエンジンでは、基本的に足回りが負けています。 ショック交換を行う事で、始めて足回りが本来の仕事をする事ができるのです。 もちろん、ショック、Hi−Loの取り付けだけなく、足回り、ブレーキ回り等しっかりと整備を行いお渡しします。


GAZショック・アブソーバー
T−SPPEDアジャスタライド(Hi−Lo KIT)


GAZ製のショックは調整幅も36段と大きく、町乗りからサーキットまで対応可能。 ショックの作りも良く、コストパフォーマンスは高い。 今、調整式ショックの中では一番お奨め。

T−SPEED製のHi−Loはスパナで簡単に調整が出来る事、そしてナックルジョイント(Hi−Loの付け根に付く部品)が付属で付いてくるのも大きい。 本体の作りも良く、ニップルからグリスアップが出来、固着防止が出来る点も良い。

インテリアは、限定車だけの装備が多数。 まず、シートは本皮とファブリックの組み合わせたもの。 赤いクーパーのタグが取り付けられます。 また、ステアリングはワインレッド、内張りも限定車専用の物です。 走行距離の少なさからシートの痛みも無く、良い状態を保っています。 フロアカーペットや、シート生地がズレたりしていないのも走行距離が少ない為。 新車時に近い、ベストな状態を保っています。 また、内装もフルオリジナルの状態ですから、自分のセンスに合わせてドレスアップしていくのも楽しいでしょう。


限定車オリジナル ステアリング


ワインレッドのレザーステアリングは限定車のみ。 デザイン等は通常モデルと同じ。 ステアリングは一番最初に交換する人が多く、オリジナルは貴重。 交換しても捨てずに取っておいてほしい。
限定車オリジナル インテリア


本皮をあしらったシート、内張りのデザインなど通常モデルと異なる部分が多い。 赤いパイピングと赤いカーペット、そしてステアリングと、うまく赤を組み合わせている。 写真では解りにくいがシート等にシワが無く、レザーもキレイな状態。
実走33500km


実走で33500kmのキャブクーパーは滅多に出てこない。 走行距離が少ないので内装の痛みも少なく、オリジナルのままでも永く楽しいんで頂ける状態。
スペアキー


本来、新車時にはスペアキーが付属しているのだが、10年以上の年月が経ち失くしてしまっている車輌が多い。 この車輌は、スペアキーもしっかりと有り、また、右上のアンテナキーも残っている。 アンテナキーは部品で出ない為、失くすと手配出来ない。(キーが無くてもアンテナは出せます。) 

外観で大きく違うのがサンルーフが標準装備されている事。 これは、限定車だけの装備であり、一目で限定車だと解る部分でもあります。 サンルーフはガラス製で、室内の開放感は大きく、ちょっとした換気を行いたい場合には便利。 春先などサンルーフを開けて走ると心地良い風が抜けていきます。 他では「ジョン・クーパー」もサインが入っているクーパーラインも標準装備でした。 また、オーバーフェンダーはボディと同色に塗装されており、塗装のされていない通常のキャブクーパーと比べとても良い仕上げとなっています。 この車輌は保管状態も良く、13年経った今でも錆びは殆どありません。 ルーフ、トランクルーム、フロアなど、比較的錆びの出易い場所もとてもキレイ。 とても13年経っているとは思えないでしょう。 塗装の状態もとても良く、キレイな艶を出しています。 これだけ良いボディのキャブクーパーは中々出てきません。 限定車では尚更です。 一度実車をご覧頂けば納得して頂けるでしょう。 


ボディ同色オーバーフェンダー
オリジナル アルミホイール



同色に塗られたオーバーフェンダーは、表面処理もしっかりされており、通常のキャブクーパーとの違いがハッキリ出ている。 オーバーフェンダーは比較的に交換されている車輌が多く、オリジナルの物が付いている車輌はある意味貴重。
ボディ同色ライセンスランプ


ボディと同色に塗られたライセンスランプも限定車特有。 通常モデルは、ボディカラーに関わらず黒い物が取り付けられている。
ガラス サンルーフ


限定車の証でもあるサンルーフ。 後ろ側が上にチルトする。 それだけで室内の換気が良く行われ、意外と使い勝手は良い。 ガラスの為(スモーク)、室内からは空が良く見え開放感も大きい。 限定車の自慢の種でもある。
ボディ フロア


写真では良く見えないが、カーペットをめくればフロアはとてもキレイな状態。 雨漏りをするとこの部分に水が溜まるので、比較的錆びが発生し易い場所。 リフトやジャッキによる歪みも無い。
トランクルーム


トランク内に荷物を沢山積んでいると、トランクの内側やフロア、シート側などが傷になってしまう。 固い荷物では変形してしまう場合も。 この車輌は、大きな傷や変形もなく、とてもキレイ。

油脂類交換
消耗品交換
水回り部品交換
Hi−Lo、ショックNEW取り付け
点火系点検・整備
足回り点検・整備
各部点検・整備渡し


点検記録簿付き


過去の点検記録はしっかりと付いており、いかに大事にされてきた車輌かが解る。 走行距離は少ない上に点検はしっかりと行っていたので、今でも良い状態を保っている。


日本では650台しか発売されなかった限定キャブクーパー。 日本では発売初日で全台完売でした。 この限定車の人気が後々キャブクーパーを通常販売するきっかけとなったのです。 シリアルNOの10桁目が”A”(通常は”B”)は限定キャブクーパーだけに与えられたもの。 NO11001〜11650までが日本で発売されました。 1990年の発売から13年経過しており、製造台数が1650台と少ない事から限定車は滅多に出てきません。 ここまで走行距離も少なく、また、ノンレストア・フルオリジナルの車輌は今後出てくる事はないでしょう。 ボディ、機関共にベストです。 塗装やボディの状態を見る限り、あまり水にさらされていない、雨天未使用車に近い状態。 内装の焼け具合からしても、車庫保管していた車輌でしょう。 過去の点検記録簿もしっかりと付いています。 キャブクーパーをお探しの方、是非検討の1台として下さい。 今後、永く大事にして頂ける車輌です。  1/650台を是非味わってみてください。

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