イギリスでレストア後、1998年に日本に輸入されたVAN。 輸入後、日本国内では未登録で、室内保管されていました。 ボディは、レストア時にNEWボディを使用し仕上げてあり、コンディションとしてはベスト。 何しろ素晴らしいボディのVAN。 では、詳細をご覧下さい。

VANやカントリーマンなど、エステート系のボディの弱点がリア・サブフレームの付け根。 ここは袋状になっており、水分が抜けにくいので手入れが悪いと錆びが発生しやすい。 ここが腐ってしまうとリア・サブフレームが固定できなくなってしまいます。 エステート系のボディの車輌を探されている方は要注意箇所です。 比較的、腐っていてダメになっている車輌が多いですね。 この車輌は、さすがNEWボディという状態で、腐りはありません。 外見のキレイさより、こういった重要な箇所をチェックし手に入れられる事をお勧めします。


サブフレームの付け根に続き、もう一箇所重要なポイントがバッテリーの後ろのスペース。 VANのバッテリーは運転席の後ろにあるのですが、そのバッテリーの後ろ側が錆びて腐っている車輌があります。 この車輌は、下の写真で解る様にとてもキレイ。 アンダーコート等で誤魔化している車輌もありますが、本来はこの車輌のようにスッキリしています。 是非、他のVANと比較してみて下さい。 NEWボディならではです。


もう一箇所、是非見て頂きたいのがフロア。 フロアは、ジャッキを掛けて歪んでいたり、走行していると石跳ね当で傷が付くのですが、この車輌は、とても良い状態を保っています。 すっきりとキレイに塗装されたフロアが解りますか? 走らせるのが惜しいくらいです。 もちろん、室内側もベストな状態です。


ボディ関係では、サイドパネルとリアにデコレーションも施しました。 何も無い状態でもスッキリしていてイイのですが、レーシング・グリーンのボディカラーを活かす為に、飾りつけをしています。 サイドパネルは左右に「AUSTIN」と「MORRIS」。これは、当時のディーラーの看板を元にアレンジしています。 リアには同じパターンで「COOPER」のデコレーション。 全体のイメージを損なわず、うまくまとめられたと思います。


エクステリアやインテリアは基本的にオリジナルですが、ルーカスタイプのフェンダーミラーや、オールドタイプのサイドマーカーなどが追加されています。 また、当初グリーン1色のボディカラーだったのですが、デコレーションや全体の雰囲気に合わせルーフをオールド・イングリッシュ・ホワイトにペイント。 そしてボンネットにはクーパーラインをペイントしています。 ホイールは、スチール製の物をシルバーに塗装、燃料タンク等も新しい物を使用してレストアされています。 また、インテリアでは、ヒーターをMK−1の物に変更し、MK−1オリジナル・ステアリング、そしてMK−1タイプのハイバック・リクライニングシートを2脚セットアップしました。 ボディカラーとブラックの内装が良く合っています。

ボディの良さに負けない様、各機関もキッチリと整備を行っています。 まずエンジンでは、ヘッドガスケットに多少不安があった為、ヘッドを剥がしヘッドのオーバーホール。 電気系もNEWパーツに交換しています。 また、足回りはノーマルだったので、T−SPEED製Hi−Lo、GAZ製ショックをNEW取り付けしています。 整備の様子と合わせて紹介します。

まずはエンジンから。 ヘッドは全てバラし、フルオーバーホール。 ステムシールを入れ替え、バルブや燃焼室のカーボンを丁寧に落とします。 また、その時に簡単にポートの段つきも修正。 ヘッドを下ろした時に外したキャブレターも一緒に清掃しています。


足回りでは、基本の整備に加えてHi−Lo、ショックを取り付け。 フロントブレーキはディスクブレーキに変更されています。 リアブレーキは、乗っていなかっただけに、ホイールシリンダーに漏れが見られ、もちろん分解・オーバーホールを行っています。 下の写真でも、インナーフェンダーの塗装及び状態の良さが伺えます。


ふんだんにNEWパーツを使い、乗って走って楽しむ事を前提に仕上げた機関です。 油脂類などの消耗品交換はもちろん、主要部分はしっかりと整備済み。 チョイ乗りから長距離ドライブまで、安心して乗って頂けます。

今回、全体のイメージからホイールをリニューアルしました。 走りをイメージし、ミニライトタイプの4.5Jアルミホイールを装備。 これにより、足元が引き締まりました。 また、マフラーもリニューアル。 VANやピックアップ、そしてエステート用として今では入手困難となりつつあるマニフロー製マフラーを新たに取り付け。 雰囲気、音ともに定評のあるマフラーです。 どうです? カッコイイと思いませんか?

 

現在、ホイールをミニライトタイプのブラックにに変更しています。 足元が黒いと引き締まって見えますね。 シルバーと、どちらが好みですか?

エンジン回りにも少し手を入れました。 マニフロー製マフラーに合わせ、吸気系をチューニング。 フィーリング、そしてエンジンルームや全体の雰囲気からSU1・1/4ツインキャブをセットアップ。 同時に3ブランチLCBもNEWパーツにて取り付けしました。 吹け上がりも軽く、良く回る楽しいエンジンへと生まれ変わったと思います。 良い音がしますヨ。

@ヘッド オーバーホール
 ・ヘッドガスケット交換
 ・バルブガイド入れ替え
 ・バルブシート修正
 ・バルブ摺り合わせ
 ・ヘッド分解/洗浄
 ・キャブレター洗浄
 ・キャブレター フロートパッキン交換
A点火系交換
 ・ポイント/ローター/コンデンサ/ディスキャップ交換
B油脂類交換
Cクラッチ油圧系点検整備
D水回り点検整備
 ・サーモスタット交換
E足回り各部点検整備
 ・左ラックブーツ交換
 ・左タイロッドエンド交換
FHi−Lo/ショック NEW取り付け(フロント/リア)
Gリアブレーキ分解オーバーホール
 ・ホイールシリンダー分解オーバーホール
 ・ブレーキシュー交換
 ・サイドブレーキ ゲイター交換


NEWボディを使いレストアして仕上げたVANです。 今ではVANは希少で、良い車輌というのは中々出てきません。 特に、ボディ関係が良いVANというのはかなり少ないでしょう。 この車輌については、細かい事は言いません。 ご覧になって頂ければ、素晴らしさが一目で解っていただけるでしょう。 このボディ、そしてこの整備内容での価格としては、手に入れられた後絶対に安価だと納得して頂けるでしょう。 お客様が大事にされ、手を入れているVANでは良い車輌をみかけますが、売りに出ている物で良いVANというのは、本当に見つかりません。 苦労して入手し、更に手を入れて良い車輌に仕上げています。 必見の一台です。

(消費税別)

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