ホイールシリンダーとは何か?
簡単に説明したいと思います。
ミニの後輪のブレーキは、ドラムブレーキというのは知っていますか?
ドラムブレーキとは、ドラム(筒)の中に入っているブレーキ方式の事です。
前輪はディスクブレーキで、ディスク(円盤)を挟み込むブレーキ方式になります。
古いタイプのミニは前輪もドラムブレーキでした。
今回説明するホイールシリンダーとは、ドラムブレーキを作動させる部分にあたります。
まず、下の図をご覧下さい。



ドラムブレーキを開けると、上の図の様な形になっています。
ブレーキペダルを踏むと、ピンクの部分、ホイールシリンダーが油圧で作動します。
ホイールシリンダーは両端がピストンになっていて、油圧で飛び出す様になっています。
飛び出したピストンはブレーキシューを押し広げ、外側のドラムに押し付けます。
すると、ドラムとシューの摩擦によりブレーキがかかる仕組みになっています。
つまり、ホイールシリンダーはペダルを踏んだ力を伝える重要な部品なのです。
ホイールシリンダーは幾つかの部品から出来ており、油圧で作動します。
簡単な分解図を下に表示します。



分解してみると、中央のシリンダー本体、その中にゴムのラバーシール、
ピストン、シリンダ本体の両端にダストカバーが付く形になります。
ブレーキペダルを踏むと油圧がかかり、ラバーシールの内側からピストンを
外側に押し出します。
ダストカバーは外からゴミの進入を防いでいます。
ここからが本題です。
タイトルにもあるホイールシリンダーの点検とは、ホイールシリンダーから
ブレーキフルード(ブレーキオイル)が漏っていないか点検する形になります。
ここからフルードが漏ってしまうと、油圧が掛からない為にブレーキが効かなくなってしまいます。
また、フルードが漏る事によって、ブレーキシューまでダメにしてしまいます。
では、どうやって予防するかというと、中のラバーシールと、外のダストカバーを交換するのです。
この2つはオーバーホールKITとして部品があるのです。
下の写真がその部品。
中央にあるのが、ホイールシリンダー、外側2つがオーバーホールKITの部品です。



ラバーシールとダストカバーはゴム製ですので、寿命があります。
実は、その寿命が問題なのです。
最低でも車検毎に2年ごと、出来れば1年で点検しないといけない部品なのです。
車検時に通常では分解・オーバーホールを行わなければいけません。
ところが、意外と点検していない車が多いのです。
そのような車はドラムを開けると、フルードが滲んでいる車が多い。
また、小まめにオーバーホールしていれば良いのですが、オーバーホールしていないと
ホイールシリンダー本体に傷が入ってしまいます。
そうなるといくらオーバーホールしても、フルードが漏ってしまう。
ホイールシリンダーをそっくり部品交換になってしまうのです。
そうならない為にも、早めに点検する事を心がけましょう。
ブレーキは命にかかわる部品です。
ドレスアップ、チューニングも良いですが、まずは基本整備からです。
いくら早い車でも、止まれなければ車として欠陥です。
車は凶器だと言う事を認識し、乗っている方が責任を持って整備しましょう。
ドラムブレーキを内側から見て、フルードが滲んでいれば赤信号。
すぐに点検するようにして下さい。


PS 痛んだホイールシリンダーを「事件です!!」コーナーの
   「だだ漏れ。」に掲載しています。
   参考にご覧下さい。

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