Yさんの乗るモンテカルロ優勝35周年限定車は、走行もすでに10万キロ近く。 最近ではサーキット走行にハマっており、エンジンのオーバーホールを兼ねてキャブ化、そしてチューニングを行う事になりました。 開けたエンジンの状態はどうなのか? チューニングはドコまで行うのか? それでは、作業の様子を紹介します。

まずは、エンジンを降ろす前の状態から。 インジェクション、エアコン付きとなるとエンジンルーム内はご覧のようにギッシリ。 「どこから手をいれるんだ?」というくらい、色々な物が詰め込まれています。



エンジンを降ろす為に補記類を外していきます。 主要な補記類が外れた状態が左下に写真。 邪魔な補記類さえ外してしまえば、後はエンジンを降ろすだけ。 エンジンを降ろした直後が右下。

 



降ろしたエンジンをバラし、中を確認していきます。 まず、クラッチ側を外したところ、ラージシールからオイル漏れを起こしていました。 クラッチ全体にオイルは回ってはいないものの、端の方にはオイルが付着していました。



続いてシリンダーヘッドを外していきます。 ヘッドを外すと、ヘッド側、ピストン側にかなりカーボンが付着しています。 今まで、あまりエンジンを回していなかったので付着量も多い感じです。 左下がシリンダーヘッド、右下がシリンダー&ピストンです。

 



下は、外したピストン&コンロッド。 右下の写真で解る様に、ピストンヘッドにはカーボンが。 しかし、10万キロ走行の割にはメタル類はキレイでした。

 



そしてシリンダーですが、これが何とも言えない位にキレイなんです。 新車時のホーニング(シリンダー内にオイル膜が残るよう付けられた跡)跡もしっかりと残っており、状態の素晴らしさが伺えます。 

 



こちらはクランク。 ジャーナル部に傷も無く、こちらも問題なし。

 



次はミッション。 各ギアにダメージも無く、こちらも問題なし。 ただし、シンクロリング、各ベアリング類は新しく交換します。

 



こちらは、ミッションの一部であるデフ。 この年式ではデフのシャフト部分の焼きが甘い製品があり、問題を抱えている車輌が3台に1台ある。 しかし、この車輌は問題なく一安心。 また、右下の写真はデフの中にあるスラストワッシャーですが、これが原型を留めないくらい磨耗している車輌も多い。

 



残りのパーツを見てみましょう。 下の写真の左上はロカーアーム。 先端のバルブを押す部分は磨耗して銀色に光っています。 まぁ、距離相応といった感じでしょうか。 右上はバルブリフター。 こちらは思っていたよりキレイでした。 一つは虫食い状態になっていましたが、他は10万キロとは思えない状態です。 続いて左下はクラッチ。 こちらは、始めに紹介したオイルシールから漏れたオイルが付着はしていましたが、状態は悪くはありません。 もちろん、交換にはなりますが。 最後はミッション・ケース。 ケース本体にも異常はありません。

 

 



最後はエンジンルームです。 エンジンが降ろされた状態でもこれだけの配線が残っています。 今回、オーバーホールと同時にキャブ化も行い、必要の無い配線は撤去する事となります。

オーバーホール、そしてキャブ化にチューニングと、一度に行ってしまう訳ですが、チューニング内容等は既に決定しています。 果たしてどの様な仕様になるのか? 次回PART2をお楽しみに!!