シリンダーのボーリング・塗装も終わり、いよいよ組み付けに入ります。 今回はエンジン組み付け編をお送りします。

まずはシリンダーにクランク、カムシャフト等を組み付けていきます。 クランクはノーマルをそのまま使用。 カムはKENT製MD276(63度)を選択しています。 町乗りや通勤にも使用する事を考え63度に決定しました。 バルブリフターはミニスペアーズ製の軽量リフターに交換。 クランクの固定はノーマルのキャップを使用していますが、中央部のみ補強用のブロック(下の右上の写真)を作成し、2段構えで固定しています。オイルポンプ(左下の写真)もハイキャパシティに変更します。 ポンプは1度分解し、摺り合わせを行った後に組み付けです。
 



続いてピストン、コンロッドを組み付けるのですが、その前に行う作業があります。 今回、ピストンは+20へ変更しますが、各ピストンの重量を計測します。 ピストンピン、コンロッドも同様に計測。 右下の写真でピストンに書かれているのが計測値。 1つだけ2gほど重いものがありました。
 



全体のバランスを取る為にコンロッドを削り、重量合わせを行います。 コンロッドも1本だけ10gほど重いものがあり、側面を削りピストンと組み合わせた総重量を揃えます。 下は加工したコンロッドです。
 



ピストンが組み付けられました。 全体の重量合わせを行っていますから、バランスが取れ高回転時の安定度は変ってくる事でしょう。 同時にタイミングチェーンも取り付け終了。 タイミングチェーンはミニスペアーズ製のダブルチェーンを選択しています。
 



続いてヘッド側も作業を進めます。 今回セットアップするヘッドはリチャードロングマンGT15です。 中古ではありますが、走行距離も少なく、状態の良いヘッドをオーバーホールして使用します。 下の写真左上が手を入れる前のヘッド。 まず全てをバラし、洗浄を行います。(右上) この時にコッターとリテーナーがかじっており、中々外れませんでした。 どうやらバルブスプリングが強すぎるようです。 そこでインナー側のスプリングをクーパーS純正のものに変更します。 下2段目の写真はバルブの摺り合わせを行っている時のもの。 摺り合わせ、磨きが終了したのが下3段目の写真です。 オーバーホールに伴い、ステムシールは新品に交換します。 全て組み付けて、ヘッド側の作業は終了。(最下段) この後、ブロックと同色で塗装を行います。
 



最後にミッション関係を紹介します。 PART1でも紹介した通り、ミッションの各ギア、デフ本体にダメージはありませんでした。 今回、ミッションはノーマルでいきますので、シンクロリング、各ベアリング等を新しくし組み上げます。(左下) デフも同様にベアリング等のみ入れ替えて組み立て終了。(右下)
 

着々と作業は進んできましたが、今回は同時進行で行う作業が多数あります。 次回は、その辺りを紹介したいと思います。