前回、塗装一歩手前までいったキャブクーパーですが、急遽MK−Iに変更になった事は紹介しました。 今回は、MK−I仕様を作成するにあたり必要な作業を紹介します。

まず、MK−I仕様の大きな特徴とも言えるテールランプの処理。 MK−Iは小さなテールランプを使用しており、そのままではランプがボディに取り付けられません。 そこで、取り付け用のアダプターを使用する事となります。 アダプターは鉄製とファイバー製の物があり、ファイバー製の物は安価ですが、直ぐヒビが入ってしまうという欠点があります。 当店では、必ず鉄製のアダプターを使用しています。 鉄製は、しっかりと溶接する事でヒビが入らず、また、キレイな状態を永く持たせる事ができます。 下の写真(右)の黒い部分が新しく取り付けたアダプター。 シッカリと溶接後、成型及び錆び止め処理を行います。


成型後、パテを極力少なくなるまで研ぎ上げ、最終仕上げに入ります。 研ぎに研ぎ上げ、最終仕上げ用の赤パテを塗ります。 これは、最終的な細かい傷拾い用のパテ。 こちらも極力少なくなる用に研ぎ上げていきます。 研いでいった状態が右の写真です。


続いてフロント回りでは、サンズ用穴を除きグリル用の穴を全て埋めていきます。 グリル本体は、通常ビス留めとなっていますが、どうしてもビス穴が錆び易い為、ビスを使わずにグリルボタンで固定するようにします。 下の写真のグレーになっている部分は穴を埋め、サフェーサーが吹かれている状態です。 穴埋めは、溶接にて行っています。


下は直接MK−I仕様とは関係ない部分ですが、赤パテを研いでいった状態のもの。 右の写真も研ぎ上げ終了ではなく、まだ途中のものです。 まだまだ、これから研ぎ上げていきます。


さて、MK−I仕様の作業に戻りましょう。 フェンダーの赤い部分、ここはウインカー用の穴が開いている箇所になります。 今回、MK−I仕様に変更となり、サイドマーカーも旧タイプに変更。 穴位置と取り付け方法が変わる為に、元穴は溶接で埋めてしまいます。 こちらも上と同じ様に右側が研ぎ上げていった状態の写真です。


最後に、細かい変更部分を。 ボンネットは「ツバ」の部分を落とし、その後キレイに成型して仕上げます。 また、写真では見えませんが、エンブレム用の穴も埋めています。 これは、MK−Iタイプのエンブレムを取り付ける為の穴位置が違うからです。 トランクに関しては前回紹介したとおり。 右の写真は、新しく開けたフェンダーミラー用の穴です。 塗装前に開ける事により、穴の中まで塗装が入り込むので錆び防止になるのです。

ご覧のように、MK−I仕様にする為には、幾つかの板金塗装が必要となります。 ここで、いかに手を抜けずに仕上げるか?によって、仕上がりに大きな差が出てしまいます。 永く大切にしたいなら、手を抜かずにシッカリと仕上げる事が重要となります。 いよいよ次回では塗装に入ります。 塗装が終わった後、10インチ化等の作業もあります。 次回を楽しみにしていて下さい。