いよいよ板金編へと入っていく究極のMK−I仕様ですが、まずは、ここで紹介しておきたい事があります。 それは、現行(高年式)のミニと、MK−Iのボディの違いについてです。 一見して、グリルやテールレンズの違い、そしてスライド・ガラスだという事は気付くと思うのですが、実は細かい所が色々と違うのです。 そこで、ドコが違うのか?解り易く紹介したいと思います。 板金編を早く見たいという方も、まずは違いをジックリと把握(解っている人は、復習として)してみて下さい。

まず、誰でも思いつく現行とMK−Iの違いが、グリル廻り・テール廻りの違いでしょう。 ボンネットにモールの付かない丸みを帯びたデザインのグリル、小振りな小さいテールランプと、MK−Iの方が、より一層ミニの丸みを強調していると言えますね。 グリルやテールは板金によって加工する事が出来るので、MK−I仕様に改造している車輌も多く見る事が出来ると思います。



次に思い浮かぶのは、スライドガラスだと思います。 引き違いに開けるスライドガラスはMK−Iのアイデンティティ。 大きなドアポケットもMK−Iの特徴です。 このドア、ガラスに憧れている方も多い事でしょう。



では、「MK−Iのドアをそのまま移植すれば・・」と考える方もいると思うのですが、実はそう簡単にはいかないのです。 下の写真をジックリご覧下さい。 左がMK−I、右が現行のミニですが、良く見比べるとドアの高さが違うのが解るでしょうか? ドアと屋根の隙間を見てください。 MK−Iは、ドアと屋根の間に隙間があるのですが、現行ミニは、ほとんど隙間がありません。 同じミニなのですが、実はドアの大きさが違うのです。 現行ミニにMK−Iドアを取り付けようとすれば、この高さの問題、そして、細かい部分ではドアの形状の違いを克服しなければなりません。 また、ドアだけではなく、クォーターウィンドウの高さもMK−Iの方が低いのです。



大きな違いをもう1つ。 左がMK−I、右は現行ミニのMK−I仕様ですが、写真で見て大きな違いがある事に気付きますでしょうか? 以外と知らない方も多いのでは?と思いますが、2台のリアガラスの寸法を良く見比べてください。 MK−Iはリアガラスの幅がトランクとほぼ同じであるのに対し、現行ミニはトランクよりもリアガラスの幅が広くなっている事がわかると思います。 この違いがリアから見たときの微妙な雰囲気の違いに繋がってくるのでしょう。 まだまだ色々な違いがあるのですが、作業を紹介しながら少しずつ比較していきたいと思います。

さて、上記の違いを踏まえたうえで、ここからは実際の板金編へと突入していきます。 詳細は、各作業ごとに紹介していきましょう。



まず、板金編の最初に紹介したいのが下の2台。 決してキレイな車輌とは言えませんが、本物のMK−I及びMK−II。 この2台の部品取り車が無ければ、今回のプロジェクトは完成しなかったと言っても良いくらい。 新品パーツである物、部品としては生産していなく、部品取りから移植して使用する物、数多くのパーツが必要となる作業です。



最初の作業は左ドアからスタート。 ドアは、部品取りとなるMK−Iの物を使用します。 スライドガラスにするだけなら、現行のドアを加工してスライド化するKITが出ています。 しかし、現行ドアにスライドを入れるだけでは、ドアの高さや室内側のポケットを再現する事が出来ません。 現行のドアを刳り貫いてポケットを作るのでは強度が足らなくなってしまうのです。 そして、今回目指すは究極のMK−I仕様。 やはりドアはMK−Iの物を使用しないと納得いきません。 細かい形状の違いは追々紹介するとして、使用するドアの現状を確認する所から。 部品取りに使用している車輌は、永い間外に置かれていた車輌の為、ドア内部にもかなり深い錆びが発生しています。 ドアの表面を剥がし、内部の錆を落とせるだけ落とし、また、本当にダメな部分は新しく造りかえることとしました。



錆びの深い部分は切り落とし、新たに鉄板で作成するのですが、その際に使用する鉄板も亜鉛めっきを施したものを選択。 これにより、防錆効果があがるようになります。 右の写真の鉄板は、ドアのアールに合わせて作成中のもの。



ドアの外側、スキンはNEWパーツを使用。 上の骨格と合わせ、1枚のドアが完成します。



左と同様に右ドアも作業に入りました。 スキンを剥がし(スキンはNEWに張替え)、内部の確認を行います。 ドアの下部の部分は、新しく張り替え済み。 もちろん、オリジナルと全く同じ形状で作り直しています。



上の写真にもチラッと写っているのですが、ドアの作業と一緒に行ったのが、部品取りのMK−Iからリアパネルを取り外すという事。 これは、上記の違いの部分で説明したようにガラスのサイズが違うという事を克服する為と、もう1つ重要な違いを克服する為。 その違いは、次回で詳しく紹介したいと思います。 次回PART3へ続く。