PART−4の最後で紹介した写真、あれの意味は解りましたか? まず、左の写真を見てください。 ドア後部の部分、ボディパネルの色が違う(朱色に見える部分)があるのが解りますか? では、そこの解説から始めましょう。



以前、PART−2でも紹介しているのですが、MK−Iと高年式のミニではドアの形状が違います。 ドア後端の形状にも大きな違いがあり、そのままでは全く形が合いません。 そこで、形状を合わせる為にMK−Iからパネルを移植します。 朱色に見える部分は、MK−Iから切り取ったパネル。 右側の写真を見ると良くわかると思いますが、ピラーの上端でもこれだけ形状が違います。 



裏側からみるとこんな感じ。 ここでシルバーに見えている部分は補強です。 なるべく弱いと思われる部分には補強をいれて作業していきます。



こちらは、これから取り付ける右フロントフェンダーです。 まず、取り付けの前に裏面の塗装を済ませておきます。 どうしても組んだからだと細かい所に塗装が入らないのを防ぐ為。 もちろん、溶接した後は、再処理をしますが。 外側は、一括で塗装する為に色は入っていません。



もう一つ、下準備の紹介。 以前に紹介した切り取ったルーフですが、錆び取りを行い取り付けの準備をしておきます。 取り付けは最終段階で。 下から形を作ってしまわないと全体の形状が崩れてしまう為、今はこのまま保管となります。 赤い部分は錆び止めに下地を吹いています。 このルーフはMK−IIクーパーSから切り取ったものです。 贅沢ですね。



さて、ボディ側の作業にもどりましょう。 まず、中央の緑で囲んだ部分、ドコのパーツか解りますか? 正解はリアのサイドポケット。 ドア後端のパネルが変わるのと、実はこの部分、MK−Iと高年式のミニでは形状が違うのです。 MK−Iのポケットは、ここに灰皿が付いており、高年式のミニより手の込んだ創りとなっているのです。 もちろん、その部分もキッチリ移植します。



もう一つ補足を。 前回紹介したフロントマスクですが、マスク下のスカートの部分、こちらもMK−Iと同形状に仕立てます。 初期のMK−I(1964年2月まで)はフロントスカートが丸い形状をしていました。 俗に言う「丸顔」です。 33EJBは、丸顔の年式ですから、もちろんココもキッチリと再現します。 現状のフロントパネルに追加・加工し、丸顔を再現します。 丸顔もMK−Iは、正面から見ると全体が丸っこく見えて、また雰囲気が違うんですよね。



全体を見るとこの様な感じ。 ちょっと写真が暗いですが、現在付け替えた部分(朱色に見える部分)が解るでしょうか? まだまだ初期段階ですが、それでもコレだけの部分が変更になる事となります。 う〜ん大変だ・・。 また、右の写真はフロントフェンダー取り付けの為に下準備が出来たところ。 フェンダー同様、こちらも細かい部分は塗装を入れておきます。



さて、作業が進みフロントフェンダーの取り付けが完了。 仮にボンネット、ドアを取り付け、位置のチェックを行います。 こうやって見ると車らしく?見える姿になりましたが、まだまだこれから。いかに交換している部分が多いか良くわかるカットでもありますね。 フロント回りではフロントマスクの部分、そしてワイパーカウルの部分以外は全て変更になってしまいます。



そのワイパーカウルの部分ですが、ワイパーを取り付けるための穴は、もちろんMK−Iと同様に加工します。 内側の穴2つを残し、外側は穴埋め。 ここは良く改造する部分でもあり、MK−Iらしい雰囲気を出すのと、自分の前からワイパーが動くようになる為、特に身長の低い方だと見やすくなるというメリットも。 お勧めの改造の一つです。



同時に室内も少し作業を行いました。 中央のスイッチパネルの部分、もちろんMK−Iを目指すにはセンターキーに変更となるのですが、このパネルの開口部はMK−Iと高年式のミニでは寸法が違うのです。 良く、センターキーKITというパーツを聞くと思うのですが、これは、高年式のミニにそのまま付けられるKITとなっており、MK−Iの物とは形状が違うのです。 そこで、パネルの部分も移植。 左が移植前のノーマルの状態、右が移植後です。 穴の大きさの違い、解りますか?



こちらも中から。 ドアの後ろ、ピラーの部分に補強の鉄板を入れたところは紹介しましたが、そこに被せる形でパネルを移植。 灰色に見える部分はMK−Iからの移植。 そしてクォーターガラス下の部分、実はここもMK−Iは形状が違うんです。 グリーンのパーツはMK−IIからの移植です。



さぁ、段々と作業も進んでまいりました。 まだまだ仮止めの段階も多い為、作業は序の口と言った感じです。 さらに単純にMK−I仕様にするのではなく、追加で行う作業もあるのですが、次回はそこを紹介したいと思います。 ヒントは左の写真。 さぁ、何でしょう?