PART−6編、まずは前回の続き、フロント回りを少しだけ紹介。 前回、フェンダーの取り付けが出来たところを紹介しましたが、少し補足を。 今回のベース車輌はモンテカルロ限定車の為、4連フォグが純正で装備されていました。 フロントマスクを板金するにあたり、もちろんフォグ用の穴埋めも同時に行っています。 それが左の写真。 グリル取り付け部の下、4箇所板金しているのがわかると思います。 また、右の写真、解りにくいと思いますが、右フロントフェンダーとスカットルパネルのカット。 その継ぎ目を良くご覧下さい。 ちょうど、メッキモールを取り付けるミミの部分、パネルの合わせ目に継ぎ板が当てられているのが解りますか? MK−Iはこの部分が切れていない為、シッカリと鉄板を溶接、切れ目を繋ぎます。 モールを付けてしまえば見えない部分なのですが、ちょっとした「こだわり」です。



さて、ここからPART−6の本題である室内の作業に移ります。 まず、下の2枚の写真をご覧下さい。 どこの部分か解りますか? ミニのシートの下、シートを固定するメンバーです。 何やら左の写真では研がれているし、右の写真はパックリと穴を開けられてりるではありませんか。 これは一体どういうこと?



今回のテーマの中に、「今までのようにサーキットを走りたい」「折角、色々と加工するのだから、補強したい」というのがありました。 そこで、補強として考えていたのが紹介している部分。 ミニのシートは後ろが跳ね上げられるように出来ていて、シートそのもは前側だけで固定されています。 つまり、シートに加わる力のほとんどが、取り付け部分にかかるという事。 そこで、取り付け部分に補強を加えることとしました。 まずメンバーを切り開き、左の写真のような「コの字」形の鉄板を内部に溶接。 これを一箇所前後に2枚。 シートの固定は1脚で2箇所ありますから、左右で4箇所/8枚の鉄板を補強で入れています。 これにより、入力に対する補強はかなり出来たことでしょう。 その後、メンバーを蓋して溶接、研いだのが上の左の写真という訳です。



それともう一つ。 前回、リアのポケットは移植すると紹介したと思います。 そのために、今はポケットが切り取られているのですが、その前方に注目。 緑の線で囲んだ部分、フロアのアンダーコートが剥がされ始め、線も引かれているのが解りますか? 何故ここを剥がすのか? ヒントは前回の最後の写真。



上の答えがこちら。 フロアを良くご覧下さい。 シートメンバーが2本取り付けられています。 黒い方がリア側に増設したメンバー。 当時のワークスカー等がこの手法を使っていました。 簡単に言うと、メンバーを追加してボディ補強という感じです。 本来の形のままでは、リア側に取り付けたときにフロアトンネル(マフラーが通る部分、フロアの盛り上がっている部分です)の形状が通常の箇所と違う為、単純に取り付けは不可能。 メンバーを2つに切り離し、加工してから取り付けを行っています。 また、右の写真でメンバーの前に四角い部分が見えると思います。 ミニのシートは、後ろ側が足で支えられるため、フロアが変形してしまっている車輌も多いのです。 そこで、鉄板で補強を追加しました。



少しずつ作業も進み、フロント回りに手が入ってきました。 まずはフロントマスク。 整形は終了し、最終仕上げの為のパテを、本当に薄く塗っています。 ここからガンガン削り、最終的にはほとんどパテは使いません。 キズを消す程度です。 右の写真はワイパーホールの仕上げを行なっている途中。 以前にも紹介した、外側の穴を埋めています。



全体としては、このような感じ。 さぁ、室内作業に戻りましょう。



上で紹介していたリアの追加メンバーの作業が進みました。 まずボディとの合わせ面は微妙に形を修正。 実際、フロントに取り付ける際にも修正が必要だったりしますが・・。 国産車に比べるとパーツの精度は良くないので、ここでいかにてを掛けるか?で仕上がりは変わってきますね。 右の写真、これは一体何なんでしょう?



上の答えがこちら。 追加したメンバーに、シートのリア側の足を固定するように考えていて、その為のブレートでした。 四角で囲んだ部分、ネジ穴が2箇所開いているのが解りますか? ここにシートの足を固定します。 シートは持ち上がらなくなってしまいますが、ガッチリと固定できる為、車の挙動は掴み易くなりますね。 サーキット走行などでは、強い味方となるでしょう。 ただ単にナットを溶接しただけでは強度が出ないので、補強のプレートも一緒に入れています。



同時にボディパネルの作業も進めました。 PART5で紹介したときは、リアフェンダーは溶接していない状態でした。 まず、その部分を接続し仕上げ、その後サフェーサーを吹いておきます。 強度が落ちないように気を使う部分でもありますね。



ピラーの内側は左の状態。 途中で切った形となっています。 これは屋根を付け替える為、最後に屋根を乗せるからです。 切れている部分の上側が屋根になります。 形を崩さないよう、一番最後の作業になるのです。



そしてリアのピラーも少し加工。 こちらもリアパネルをMK−Iのものに変更する為に、リアパネルを剥がす下準備といった感じです。 左は作業前、右が作業後。 ピラーの内側は袋状になっているのですが、内側のパネルを切り取りしています。 ここも、MK−Iのものに付け替える予定です。



全体の交換した部位が解るカット。 これからリア回り、ルーフ周りと大物の作業へと進んで生きます。 まだまだ、先は長いですね。 次回PART−7へ続く。