1.3ATオーバーホール

先日「あんなこと、こんなこと」で紹介した1.3iのAT車なのですが、今回フルオーバーホールを行うこととなりました。 ATのミニに乗られている方も多くいると思いますが、すでに15年以上というような車輌も多くなっています。 ここで、一般的なATのオーバーホールを紹介していきたいと思いますので、AT車に乗られている方、またMT車の方も含め今後の参考にしてください。 永く大切に乗り続けたい方、いつでもご相談にのりますので、気軽にお問い合わせください。 それでは作業の詳細をどうぞ。

走行距離は10万キロを越えた1.3ATエンジンです。 今回、オーバーホールとなったのは、ヘッドガスケットが抜け気味でトラブルが出始めていたこと。 以前から「10万キロ超えたらオーバーホールを考えましょう」という話しにはなっていましたので、まずはヘッドを剥がして状態確認して・・という事になりヘッドを外したのが上の写真。 3番のエグゾースト側バルブが熱で溶けてしまっています。 2−3番間のガスケットも吹き抜ける直前という状態でした。 オーナーも「15年乗っていますし、いいタイミングなので全部きっちりオーバーホールでお願いします」ということで、全てばらしてきっちり仕上げることとなりました。


ご存じない方もいると思いますが、ミニはミッションだけ降ろすということが出来ず、まずはエンジン&ミッションの状態で車体から降ろす形となります。 上は降ろした直後のエンジン。 これから各部をバラし細部まで状態確認します。


すべてのバルブを外し、ヘッドの状態確認から。 左の写真の赤い矢印の部分、溶けていた3番のエグゾーストですが、溶けていた部分から吹き抜けて白く焼けているのがわかりますでしょうか。 ヘッドそのものは歪みもなく優秀でした。 AT車で、高回転をガンガン回してという走りもしていないのもあるでしょう。


左は溶けたバルブです。 これは当然交換となります。 他のバルブも全て磨いて状態チェック。 虫食いなどもなく、他のバルブは問題なさそうです。 もちろん、シートカットやすり合せはきっちりと行います。


続いてエンジンブロックとATミッションを分離。 長年の汚れでブロックは真っ黒ですね。 さあ、どんどんバラしていきましょう。


ブロックも洗浄して赤い地肌がきれいに出てきました。 シリンダーの磨耗度合いはちょっと微妙な感じ。 これから精密に測定しますが、場合によってはボーリングしてオーバーサイズピストン入れるという形になるかな? ボーリングしないとしてもピストンリングはもちろん交換となりますが、ピストンそのもは大きなダメージはないですね。 シリンダー内部も磨耗こそありますが、大きな傷等はありませんでした。


測定前の目視でですが、クランクも大きなダメージはなさそうです。 クランク/コンロッド/スラスト/カムメタルは全て交換。


カムも大きな磨耗もなく問題はなさそうです。 ATミッションはまだ洗浄のみ。 実際分解前は滑り等出ていませんでしたので、大きな問題は出ないでしょう。 通常のオーバーホールでいけると思います。

PART−2へ続く

PART−2