インジェクションからキャブ化についての作業を紹介します。
Oさんの車は、前からコンピューターに不調の兆しがありました。
お金を貯めて、キャブ化を目標にしていたのですが、とうとうコンピューターがお亡くなりに・・。
ついにキャブ化する事となりました。
まずは、キャブ化する前、ノーマルの状態の写真から。


エンジンはノーマル、エアクリーナーのみ変更となっています。
左下に見える銀色の箱がコンピューター。
これが今回の原因です。
コンピューター不良の場合、そのまま直すか?キャブ化してしまうか?
と選択する形になるケースが多い。
コンピューター制御のインジェクションの場合、エンジンをかけるにも
チョークを引く等の手間はありませんし、確かに普段はとても楽です。
しかし、今回のような場合にはお手上げとなってしまいます。
逆にキャブレター式の場合は、チョークを引いて始動したりと手間はかかりますが、
構造が単純なだけに、突然止まってしまう様な事はありません。
また、キャブレターのレスポンスや音に引かれる方も多いですね。
Oさんも、その一人ですが・・。
では、実際の作業説明に。
まず、コンピューターを外した所から。


作業前の写真と比べてみて下さい。
左下、コンピューターが無くなっているのが解るでしょうか?
では、細かい所も見ていきましょう。


上の写真は、上から見た図です。
エンジンの後ろ側、インジェクションのユニットが外れています。
また、排気のパイプも取り外されています。
キャブに変更すると、ノーマルの排気パイプは使用出来ません。
そこで、LCBも一緒に入れる形になります。
次は、エンジンの前面の写真を。


本来、ここにはインジェクションのデストリビューターが付いています。
それをキャブ用のデストリビューターに変更します。
真ん中にある銀色の穴、ここにデストリビューターが取り付けられます。

そして、外した部品を見てみましょう。


写真のグリルは作業の為に外されているだけで、また取り付けられます。
左に置いてある茶色に見えるパイプがインマニ。
つまり吸気側のパイプです。
真ん中にエアクリーナーとインジェクションユニット。
その右側がコンピューター、デストリビューターです。
一番右側がエキゾースト(排気)のパイプ。
左の方にある長い配線は、何箇所かのコネクターのみを使い、キャブ用に引き直します。
コンピューター制御では、色々と複雑な制御をしていますので、配線も多くなるのです。

では、いよいよ取り付けへ。
まずはエンジンルーム全体から。


すでにキャブレターは取り付けられています。
キャブレターは、キャブクーパーで使われている物。
キャブの後ろでホースにドライバーが刺さっていますが、これはガソリンの燃料ライン。
インジェクションの燃料ポンプは、燃料を送る圧力が高いので、キャブレターでは使えません。
ポンプを別で取り付けになるのですが、燃料系はまだ作業していないので、仮でドライバーが。
手前のコンピューターは完全に無くなっています。
では、横から見てみましょう。


キャブレター&インマニはキャブクーパーの物です。
エアクリーナーはラムフロー。
まだホース類の接続は終わっていません。
キャブレターの下にはLCBも装着されています。
下から見ると良く解ります。


真ん中にある黒いパイプ、これがLCB。
ジャンスピード製の物を選択しています。
その奥には触媒が見えますね。
そして次にエンジン前面を。

まだキャップが付いていませんが、デストリビューターが取り付けられています。
真ん中、黒い部分がローター。
このローターが回転し、各シリンダーに順番に点火していくのです。
では、最後に正面から全体の写真をそうぞ。

今回の紹介はここまで。
まだ、水周りのホース類の取り回しや、燃料系統など作業が残っています。
またコンピューターが無くなる事によって、ノーマルの水温計は使えなくなります。
これも別で取り付ける事となります。
次回は、この辺の作業を紹介出来るでしょう。
では、次回をお楽しみに。


コンピューター故障でも、故障箇所によっては修理が出来ます。
また、キャブ化するにあたっても、インジェクションではのメリットとデメリット、
そしてキャブレターでのメリット、デメリットを良く考えましょう。
決してキャブ化する事が絶対に良い訳ではありません。
走る状況や使い方によっても選択の仕方は変わります。
良く考え仕様を決定しましょう。
不安のある方は、是非ご相談下さい。