前回、パーツが揃う所まで掲載しました。
今回は、エンジンをバラした所まで載せたいと思います。
何故オーバーホールする事になったのか?はPART1をご覧ください。


まずは、エンジンを降ろされて抜け殻状態になっている姿から。
エンジンが無いと、すっきりしてますね。
ドライブシャフトに被せられた軍手がお茶目です。
でも、リフトに上げられている姿が痛々しいです・・。



いよいよ、お待ちかねの降ろしたエンジンです。
左の写真のエンジンブロック左に置いてあるのが外したクランク。
上の方には、外されたヘッドも見えます。
ブロックに装着されているクランクは新しい物です。



そして、これが衝撃的写真!の外したクランクです。
前回、PART1でクラッチ側の写真は載せましたが、クランク側の傷もかなり凄いです。
向かって右側の部分にクラッチが付くのですが、矢印の所の色が変わっている部分はクラッチが暴れ焼きついてしまっています。
本来は、色が違う部分はないのです。
右の写真は、そこのUP。
かなり深い傷が付いているのが解ると思います。
クラッチがあの状態だと、クランク側にもかなりダメージが出ますね。
写真をクリックすると大きいサイズで見れますので、じっくりとご覧下さい。



後は、外したパーツを見ていきましょう。
まずはヘッドから。
Sさんの車には加工ヘッドが組み込んであります。
バルブを大きい物に変更して、吸排気の効率を上げています。
バルブスプリングも強化品(ダブルスプリング)にしてあります。



次はピストンです。
ピストン関係はノーマルで、特にダメージもないのでそのまま使います。
ただ、リング(矢印の部分)はかなり磨耗していました。
リング交換だけでも圧縮が戻り、かなりパワーが戻るでしょう。



それとミッション。
ミッション(ギア)にダメージはありませんでしたが、折角降ろしてますのでシンクロリングは交換します。
シンクロリングが磨耗してくると、ギアが入れにくくなってきます。
特に2速は要注意。
普段から丁寧な操作を心がけて下さい。



残るは小物類。
デスビやロッカーアームなどです。
右下の写真のタイミングチェーン(カムを駆動してます)は、強化品(ダブルチェーン)に交換となります。


そして補器類。
マフラーはRC40のツインBOX。
LCB(タコ足)はジャンスピードです。
キャブレターはウェーバーDCOE40。
最後の写真はオマケのボンネットとグリル。
ボンネットに入っている黒のクーパーラインはオーナーのSさんによるお手製のモノ。
幅、曲線ともにこだわった1品です。
カッコイイですよね。



組み込んだクランクです。
4番ピストンだけ仮り組してます。
実はここで問題が発生。
クランクのジャナール(赤丸で囲んだ部分)径にばらつきがあるのです。
このままコンロッド(矢印の部分)を組んでしまうとガタが出てしまいます。
メタル(ジャーナルとコンロッドの隙間に入る)を厚いものに変更しましたが、4番だけサイズが合いません。
4番だけきつくなってしまいます。
かなり擦り合わせを行い、何とかイイ感じに当たりが出てOKとなりました。
右側の写真は上側から見た図です。
シリンダー内面はキレイですね。

今回チョイスしたクランクは、仕上がりにばらつきがありました。
ばらつきをなくす為に、非常に丁寧な擦り合わせを行っています。
通常では考えられない程の手間をかけています。
もう少し精度のイイ製品を出して欲しいですね。



クランクの下側にカムシャフトが見えます。
オーバーラップ73度のカムです。
73度ですと下でも使えて、意外と乗り易い感じです。



最後に全体の作業風景を。
組みあがりの様子は次回に掲載します。
もうしばらくお待ち下さい。



1つ忘れてました。
Sさんの車には電気式のタコメーターが今まで付いていました。
今回はこれを機械式のタコメーターに変更します。
しかし、良く見ると今までのタコメーターは7000回転までしか目盛りがありません。
「いったい、どこまで回してたのSさん!?」
矢印のあたりまでという噂が・・。



今回はここまで。
次回で完成した様子をお届けします。
楽しみにしていて下さい。