いよいよ完結編です。
これまでの経緯はPRAT1、PART2をご覧下さい。
さぁ、エンジンが組み上がりました。
まずは、エンジン全体をご覧下さい。
ペイントもやり直して、ピカピカの状態です。
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では、細かい所を見て行きましょう。
これは、機械式タコメーターの取り出し口です。
機械式というのは、カムの回転をギアで拾って、ケーブルを使いタコメーターを回転させます。
通常のタコメーターは電気信号を伝えているだけなのです。
機械式にしますと針の動き方が全然違うのです。
ただし、今では取り出しの部品も、メーター本体も物が少ないし、値段も結構してしまいます。
加工も大変ですし。
そして、これが後で問題を引き起こす事に・・・。
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左の写真が、今回交換したクランク。
さすがに新品なだけあってキレイです。
こういう姿を見ると、苦労(PART2をご覧下さい。)した甲斐がありました。
右の写真の赤丸はブローバイ抜きです。
本当でしたら、機械式タコメーターの取り出しを付けた部分に取り出し口があるのですが、そこを使ってしまう為に、ロッカーカバーに取り出しがあるものに変更しています。
ヘッドのポートが見えていますが、ポートの拡大は行っていないヘッドです。
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後はデスビやら補器類を取り付けて・・・。
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ついに完成!!
エンジン搭載されました。
Sさんの車は、あえてブレーキサーボを外していますので、エンジン左側はスッキリしています。
これなら、ステディロッドのブッシュ交換も楽チンですね。
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しかし、ここで1つ問題が・・・。
機械式タコメーターの取り出し口(左の写真の赤丸)からオイル漏れが!
この取り出しのパーツが厚みがあり(右の写真の赤矢印)、そのままでは取り付け不可だったので、厚みを削り、さらにガスケットまで作成していたのですがオイル漏れしているようです。
再入院(もちろんクレームで)となり、再検査の結果、エンジンの振動で開いてしまったようです。
もう一度、組み付けを行い、今度はOKとなりました。
通常、機械式メーターを付けると、多少はオイル漏れしてしまうのですが、今回は非常に気を使い加工しています。
かなりの手間暇をかけて加工しただけに残念でした。
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そして最終納車です。
どうです?イイ感じに仕上がっているでしょ?
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そうそう、忘れていました。
機械式のタコメーター。
イギリスのSMITHS社製のメーターなのですが、この文字盤は中々珍しいです。
センターメーターカウルに収まった姿や、動きを見ると懐かしさと同時に憧れがありますね。
これでSさんも安心して8000rpmまで回せるでしょう!?
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おまけ。
メーターの動きを動画にしました。
ちょっとファイルが大きいので重いですが、見てみて下さい。
機械式の動きはやはりカッコイイですよ。
今回は、回し過ぎ編という事でしたが、決してSさんが壊した訳ではありません。
たまたま、エンジンの寿命が来ていたのと、サーキットでの高速走行が重なってしまっただけです。
Sさんの名誉の為にも伝えておきます。
エンジンをオーバーホールするにも、ノーマルパーツを使ったり、あるいはチューニングパーツを使ったりと色々な方法があります。
その車の使い方や、予算によっても方法は変わります。
また、チューニングエンジンはノーマルエンジンより寿命が短くなってしまう場合もあります。
チューニングする事によって発生するメリット・デメリット、その辺りを良く考えてチューニングしましょう。
あなたがエンジンを開ける事になった時に、今回の作業が参考になればと思います。