2003年1月、九州より持ってきたMINI−VANを仕上げ・納車までの様子を紹介したいと思います。  九州からの自走の様子は「九州旅行?記」をご覧下さい。  最初に、今回の作業について簡単に紹介したいと思います。

モデルとなったVANは1980年製。  MINI−VANは、現在では台数も少なく、貴重な存在となってきています。  特にロングボディの欠点であるリアのサブフレームの付け根が腐っている車が多く、  ボディの良い車輌は本当に少なくなってきました。  今回紹介するVANは錆びはでているものの、全体の状態としては悪くなく、仕上げればとても良い車になるでしょう。  そこで、今回の作業を行う事となりました。

まずは、手を付ける前の状態の状態をご覧下さい。

九州での1カット(見づらくてゴメンナサイ)ですが、これが元の状態です。  ボディはサーフブルー、スチールホイールにホイールキャップ、フェンダミラー。  内装は3連センターメーターにウッドパネルとなっています。  この時点でボディは錆び取りを行う予定でしたので、1960年代のワークスカーのイメージで仕上げる事にしました。

下の写真は、ホイールをCRホイールに履き替えた物です。

それでは、細かい所を見ていきましょう。  まずはフロント周りから。  バンパー取り付け耳の下、左ヘッドライト下などに錆びが発生しています。

  




続いてリア周りです。  リア側もバンパー取り付け耳に錆びが出ています。




ドア周りにも細かい錆びが。  スライドガラス下のチャネルの固定部分も錆びにやられています。

  




ルーフ周りも錆びが浮いてきています。  そして、下の写真の箇所は、錆びを落としていくと貫通していました。  前回の錆び処理の仕方が悪かったようです。  写真以外の場所でも錆びが浮いている箇所がありました。




最後にサイドのパネル部分です。  この車輌は、以前パネルを抜いてガラスを入れていたようで、その後、再度パネルを貼り塞いであります。  しかし、その取り付け方が悪く、接合部に亀裂が入っていました。  写真では解りにくいのですが、赤線で囲んだ中に亀裂が走っています。

ここから実際の作業を紹介していきます。  最初は錆び落としから。  錆びのある部分を研ぎ、錆びを無くしていきます。  ここでしっかりと落とさないと、そこから錆びが広がってしまう為、慎重に落としていきます。  下の写真はルーフとリアの写真です。

  




今回のポイントでもあるサイドパネルを研いで接合部を出していきます。  銀色に部分は、鉄板が剥き出しになっている部分です。  研いで見て解ったのは、パネルが点付けで溶接してあるだけだったという事。  これでは、振動で直ぐに剥がれてしまいます。




他には、ポンネットエンブレム、フェンダーミラーの穴も埋めていきます。  穴に合わせて鉄板を溶接し、錆び止め処理をして仕上げていきます。

  

作業は進み、サイドパネルの補強が出来ました。  ポツポツと見えるのは溶接を行った痕です。  片側で100箇所くらい溶接を行っています。  溶接の際に熱でパネルが変形しないよう注意しながら作業を行います。  これで、振動で亀裂が入る事もないでしょう。

  




パネルを内側から見たのが下の写真です。  浮いて見えるのは錆びではなく、溶接を行った箇所です。

今回、紹介するのはここまで。  ここから、錆びを落とした後の処理と、ルーフの穴埋め処理と進めていきます。  次回をお楽しみにしていて下さい。