永らくお待たせしていたバン再生記のPART2です。 前回、サイドパネルの溶接処理を行った所まで紹介しました。 今回は、その続きから。 まずは、溶接した部分を研ぎ、上からアルミパテで成型していきます。 パネル部分の振動でヒビ割れするのを防ぐ為、強度のあるアルミパテを使用しています。 下の写真のシルバーに見える部分がアルミパテです。 この後パテを研ぎ、形を作っていきます。




この時点で、前回ミラーの穴埋めをしたフェンダーを研いでいます。 パテは最小限に、そして段差のないよう仕上げていきます。



リアのコーナー部分も板金が終了。 ここもアルミパテを使用しています。 この後パテを研いでいく事になります。



作業は進み、ルーフ部分の板金が終了しました。 錆びは徹底的に落とし、穴の開いていた部分は鉄板を切り取り溶接。 しっかりと錆び止め処理をした後に仕上げていきます。 茶色の部分は傷が無いか確認の為に吹かれたサフェーサーです。 ルーフ部分では、錆び落としの他に追加作業がありました。 それが、ドリップレールの取り付けと水抜き穴の作成です。 下で詳しく説明します。



まずはドリップレールについて。 ドリップレールは、MK−1〜MK−3までの車輌に取り付けられていました。 左の写真、赤矢印の先の「ひさし」の部分です。 今回バンを仕上げるにあたりオールド風のイメージにする為にドリップレールを取り付けました。 付けると一言で言っても簡単に付くわけではなく、車輌にあわせアールを付け、溶接を行うことになります。 バンの場合はサルーンと違いレールも途中までですので、その長さ合わせも必要となります。



続いて水抜き穴ですが、こちらもMK−3までとそれ以降のミニとでは形が違います。 左写真の右下、青い四角で囲んだ物が高年式のミニ。 高年式のミニの場合、ルーフの雨どいは途中で切れています。 MK−1〜3までのミニの場合は雨どいはつながり、左写真の赤丸の中の様な水抜き用の穴が開けられています。 写真は加工後の物ですが、加工にあたっては雨どいを溶接で繋ぎ、下側に切り込みを入れ成型と、かなり手間をかけて加工しています。



更に、今回はオールド・スタイルを目指していますので、ワイパーの取り付け位置も変更します。 高年式のミニと違い、オールド・ミニはワイパーが中央に寄っていました。 ワイパーの止まる向きも高年式とは反対になります。 その為に、中央の2箇所以外の穴埋め処理が必要となります。 今回のバンの場合、もともと使っていない穴が埋めてあったので、再度穴あけ、そして穴埋めが必要となりました。 穴埋めは、穴の大きさに合わせて鉄板を溶接します。



この時点で細かい部分を仕上げていきサフェーサーが吹かれました。 全体のバランス、歪み等を確認しながら研いで行きます。 下地の処理で仕上がりが変わってしまうので、ここは慎重に作業を進めていきます。



作業も終盤にさしかかりました。 いよいよ全体にサフェーサーが吹かれます。 ここで最終的な修正、そして細かい傷を拾って行くことになります。



全体にサフェーサーを吹いた後、タイヤハウス内を仕上げます。 白く吹き付けられているのはゴム系の塗料。 石はね等に強い素材の物です。 タイヤハウス内、サイドシルの下側に吹き付けます。

いよいよ次回は塗装に入ります。 ここまでは長い道のりでした。 MK−1使用にこだわり、ドリップレールや水抜きの加工、そしてサイドパネルの処理など手間のかかる部分も多かったです。 次回、塗装編はまもなくアップします。 お楽しみに。