PART1PART2と作業も進み、いよいよ最終回です。
サフェーサー(下地)を吹き、塗装に入っていきます。
果たして何色になるのか?
何か問題は発生するのか?
では、本編をご覧下さい。

今回は、塗装の下地であるサフェーサーを吹いた所からです。
塗装ブースの中でサフェーサーが吹かれています。
Hさんの予算の都合もあり、エンジン等は降ろさずに塗装になります。
必要のない部分はマスキングをし、サフェーサーが入りました。
また、MK−1の本来の塗装はラッカー塗装です。
塗料が違う為に、そのまま上塗りが出来ません。
サフェーサーの種類や塗り方に違いが出てくるのです。
この辺がOLDミニならではの大変な部分です。

この時点で、室内にはすでに色が入っています。
暗くてちょっと解りづらいですが・・。
フロア、クォーターパネル、リアトレイなど色が入っているのが解りますか?

いよいよお待ちかねの外装に色が入ります。
Hさんの選んだ色は濃いグリーン。
まだ塗装しただけで、最終的には研ぎが入ります。


こんな感じのグリーンになりました。
まだブースの中なので、もうちょっと色合いが変わりますが・・。
ちょっとコンバット風な感じがしています。

さて、いよいよブースから出てきました。
ボディも研がれて艶が出ています。
もちろんトランクルームも塗装され、毛は無くなっていますね。

Hさんは、クーパーラインも塗装で入れます。
ルーフと同じアイボリーです。
まだ片側しか塗装されていない状態です。
右の写真のバンパー下にある白いのはジャッキポイント。
昔のワークスカーに付いていたものです。

そして各メッキパーツ等が付けられ、形になった状態です。
バンパー等がないとコンバット風に見えましたが、
パーツ類が付くと良い感じに仕上がっています。
雰囲気のある色ですね。


全塗装に合わせて、ホイールも塗りました。
マグネシウムカラーで塗装しています。
ホイールも下地をきちんとしないと、すぐに塗装が剥がれてしまいます。
ホイールの色が変わると雰囲気も変わりますね。

ここからが、今回最大の難関でした。
Hさんは、フォグランプ付きのグリルに交換だったのですが、
そのままではフォグランプが当たってしまい付きません。
丁度フォグランプがオルタネーターに当たってしまうのです。
最終的に、オルタネーターの取り付け位置を上に上げ、
ランプの逃げを作る事で解決しました。
また、ボンネットストラップも取り付けします。


そして、更に大変だったのがガソリンタンク。
MK−1のガソリンタンクは25リッタータンクになります。
Hさんのタンクは、タンクユニット(残量検知)の所からガソリンが滲んでいました。
コーキングで止めていたのですが、今回タンクを交換します。
元のタンクユニットが加工して付けてあったりで、素直に移植が出来なかったのです。
何とか合うビスを探したりして取り付けました。
また、キャップも形状が違ったりと細かい問題が出てしまいました。
新しいミニなら素直にいくのですが、40年も経っていると
色々な所でオリジナルと違っていたりします。
OLDミニならではの苦労でした。
下がその問題となったガソリンタンクです。
無事付いてホっとしました。

さぁ、全ての作業が完了しました。
下の写真をご覧下さい。
左が塗装前、右が塗装後です。
とても良い感じに仕上がっていると思います。


板金塗装は、やり方によって金額も変わってきます。
特に古い車の場合は、ドコまで錆びを落とすのか?によっても変わってきます。
また、板金のやり方、下地、錆び止め剤などによっても変わってきますね。
単純に上塗りするだけなら安く済みますが、
すぐに錆びが浮いてしまっては悲しいですよね。
大事なミニを長く乗る為にも、しっかりとした板金塗装をする事をお奨めします。
エンジン等は交換出来ますが、ボディは交換出来ないですから。